このページでは、2018/07モデルのJB74W型ジムニー シエラ[JL]が装着している195/80R15の純正タイヤを例として、タイヤサイズ変更シミュレーション表の見かたについて記載しています。

JB74W型 ジムニー シエラ
1.5L|102PS/13.3kgm|PT4WD/5MT
[JL]
前輪:195/80R15
後輪:195/80R15

さて、常識的に考えれば外径の変化が小さい現実的なタイヤサイズを例とするべきなのですが、そうしますとさして代わり映えのしない数値を、いかにも重大な真実であるかのように語るという格好の悪いことになってしまいます。

そこで今回は純正比でタイヤ幅-20mm、扁平率-15%の極端に小さくなる175/65R15(外径609mm)と、タイヤ幅+30mm、扁平率+15%の極端に大きくなる225/95R15(外径809mm)のデータを用意することで、針小棒大にせずとも話が進むようにしてみました。

項目の説明と計算式

タイヤ
サイズ
タイヤ
外径
40km/h
実速度
100キロ
回転数
5速ギヤ
最高速
1速ギヤ
最高速
タイヤ
駆動力
最小
TWR
距離計
表示
175/65R15
-20mm
-15%
609mm
(-84)
35.2kmh
(-4.8)
3560
(+430)
168
(-24)
38
(-5)
790
(+95)
1.35
(-0.19)
683
(+83)
[17.1]
誤差-12.1% 車検△
195/80R15
純正サイズ
693
mm
40.0
km/h
3130
rpm
192
km/h
43
km/h
695
kgm
1.54
kg/kgm
600.0
km
[15.0]
225/95R15
+30mm
+15%
809mm
(+116)
46.7kmh
(+6.7)
2680
(-450)
224
(+32)
51
(+8)
595
(-100)
1.80
(+0.26)
514
(-86)
[12.8]
誤差+16.7% 車検×

タイヤサイズと外径

195/80R15の外径
195mm×80%×2+15in×25.4693mm
175/65R15の外径
175mm×65%×2+15in×25.4609mm
[-84mm]
225/95R15の外径
225mm×95%×2+15in×25.4809mm
[+116mm]

純正サイズの195/80R15のうち、195はタイヤ幅、80は扁平率、15はホイールのインチ数を表すもので、タイヤ幅195mmに扁平率80%を掛けることでタイヤの高さを知ることができます。

次にホイールのインチ数は15インチですので、これに25.4mmを掛けることでタイヤの内径が381mmであるとわかり、さきほどのタイヤの高さを2倍したものを足せばタイヤの外径が693mmであることがわかります。

同様に計算すると175/65R15の外径は609mmで純正サイズとの差は-84mm、225/95R15の外径は809mmで純正サイズとの差は+116mmになり、この外径の差がスピードメーターやエンジン回転数、走行距離計の誤差を生じさせることになります。


40km/h実速度

純正タイヤサイズであっても製品によって多少の外径差はあるものですし、またスピードメーターそのものにも大なり小なり誤差があるものなのですが、それを言い出すとキリがありませんので、ここからはかつて物理の試験で見たような「ただし摩擦はないものとする」的なノリで話を進めます。

195/80R15の実速度
2.18m×306rpm×60min40.0
km/h
175/65R15の場合
1.91m×306rpm×60min35.2
km/h
225/95R15の場合
2.54m×306rpm×60min46.7
km/h

さて、タイヤ外径693mm、円周長2.18mの純正タイヤを装着したジムニー シエラが40km/hにて走行するとき、スピードメーターは一切の誤差なく40km/hを示しており、タイヤは1時間に18373回転しているものとします。

この完璧な精度を有した車に、外径609mm、円周長1.91mの175/65R15という小さなタイヤを装着しますと、18373回転では35.2kmしか進むことができないにも関わらず、スピードメーターは自信を持って40km/hであると主張します。

逆に外径809mm、円周長2.54mの225/95R15という大きなタイヤを装着しますと、18373回転では46.7kmも進んでしまうにも関わらず、やはりスピードメーターは40km/hを示します。

「そんな多少の誤差で大げさな…」と思いたくなるところですが、この誤差を生じたままメーター読み80km/hで走行すれば175/65R15なら実際の速度は70.4km/h、120kmなら実際の速度は105.6km/hしか出てない、ということになります。

225/95R15の大きいタイヤとなると話はちょっと複雑で、自分ではメーター読み80km/hで走行しているつもりでも実際は93.4km/h、120km/hでは140.1km/hも出ているという、安全運転的にもお財布的にも心配になるような事態が発生してしまいます。


100km/h回転数

たとえば純正タイヤを装着したジムニー シエラが高速道路を5速ギヤで100km/h巡航しているとき、エンジンの回転数が3130rpmであったとします。

195/80R15の100km/h回転数
100/60/0.00218×1.000×4.0903130
rpm
175/65R15の場合
100/60/0.00191×1.000×4.0903560
rpm
225/95R15の場合
100/60/0.00254×1.000×4.0902680
rpm

このとき、3130rpmのエンジン回転数は5速ギヤ(ギヤ比1.000)により減速されて3130rpmまで下がり、ファイナルギヤ(ギヤ比4.090)により減速されて765rpmまで下がるわけですが、この765rpmがタイヤの回転数になります。

で、例によって精巧極まるスピードメーターは「外径693mmのタイヤが765rpmだから100km/hで間違いないぞ。正確だぞ」と表示してくれるわけですが、やはり先ほどと同じく外径が変化することでスピードメーターと実際の速度の間で誤差が生じますので、実際に100km/hで走行しているときのエンジン回転数も変わってきます。

つまるところ、先ほどの40km/h実速度と同じことを別の言い方で言っているだけなのですが、175/65R15の小さなタイヤでは純正サイズ比+430rpmの3560rpmのとき100km/hになり、225/95R15の大きなタイヤでは純正サイズ比-450rpmの2680rpmのとき100km/hで走行していることになります。


1速ギヤ最高速&5速ギヤ最高速

続きまして、上の項目で使ったタイヤ外径とギヤ比に、ジムニー シエラに搭載されたK15B型エンジンの最高出力が発生する6000rpmという要素を加えて、6000rpm時点での速度と誤差について見てみます。(便宜上この速度を最高速度とします)

195/80R15の1速ギヤ最高速
6000/4.425/4.090×0.00218×6043.4
km/h
175/65R15の場合
6000/4.425/4.090×0.00191×6038.1
km/h
225/95R15の場合
6000/4.425/4.090×0.00254×6050.6
km/h

エンジンの6000rpmは1速ギヤ(4.425)によって1356rpmまで減速され、次にファイナルギヤ(4.090)によって332rpmまで減速されます。これがタイヤの回転数となり、外径693mmのタイヤが1分間に332rpm、距離にして723m/min、時速にすると43.4km/hであることがわかります。

スピードメーターは332rpmという回転数をもとに、絶対的な正義として速度を表示するわけですから、やはりタイヤ交換によって外径が変化すると6000rpmでの速度も変わってきます。

例によって175/65R15の小さなタイヤでは332rpmで635m進み(純正比-88m)、時速では38.1km/hとなり、スピードメーターは43.4km/hを示していても実際は38.1km/h(純正比-5.3km/h)しか出ていない、ということになります。

225/95R15の大きなタイヤでは332rpmで844m進み(純正比+121m)、時速では50.6km/hとなり、スピードメーターは43.4km/hを示していても実際は50.6km/h(純正比+7.2km/h)も出ている、ということになってしまいます。


タイヤ駆動力と最小トルクウェイトレシオ

これはもはや数字を使ったお遊びの域なのですが、K15B型エンジンの最大トルク13.3kgmと、例として1速ギヤ比4.425、ファイナルギヤ比4.090、さらに195/80R15タイヤの半径0.346mを使うことで、タイヤ接地面が路面を蹴ろうとするときの瞬間的な力の総和を知ることができます。

たとえば195/80R15の場合、車両重量1070kgを695kgmで割ったトルクウェイトレシオは1.54kg/kgm、小さな175/65R15では駆動力790kgmでTWRは1.35kg/kgm、大きな225/95R15では駆動力595kgmでTWRは1.80kg/kgmとなり、「ああやっぱりタイヤが小さいと加速が良さそうだね」というだけの…


走行距離計の表示と満タン法での燃費誤差

「 く ど い ! 」という声が聞こえる気もしますが、純正サイズの195/80R15のときメーター表示に一切の誤差がないとした場合、また15.0km/Lというカタログ通りの燃費で走行できたとした場合、さらに40Lの燃料タンクに注がれた燃料を最後の一滴まで使った場合、その走行距離は600.0kmになります。

この600.0kmという距離は外径693mm、円周長2.18mのタイヤが回転を繰り返し繰り返し、ついに275601回転した結果ようやく到達する距離で、この回転数をもって走行距離計は「600.0km走行した!」と断言するわけです。

例によって175/65R15の小さなタイヤを装着し、同じように275601回転するまで走行しますと、実際に走行した距離は527.3kmであるにも関わらず走行距離計は600.0kmを示し、実際の距離で600.0kmを走行したときの走行距離計は682.8kmを示すことになります。

この682.8kmを真に受けて40Lの給油をしますと、なんと!見かけ上の燃費が大躍進して17.1km/Lとなり、「なによこの燃費すごい!economyでecologyなdriving-techniqueをmonoにしちゃったな!まさしく!」と錯覚してしまいます。

225/95R15の大きなタイヤの場合、275601回転するまで走行すると、実際に走行した距離は700.4kmであるにも関わらず走行距離計は600.0kmを示し、実際の距離で600.0kmを走行したときの走行距離計は514.0kmを示します。

同じく514.0kmをもとに40Lの給油をしますと、本当は何も変わっていないのに見かけ上は12.8km/Lに落ちたように見え、「この車はハズレでどうたら…このメーカーはこうたら…」などと恨み節を口にしたり、あるいは「ダメだこの車もう壊れそう…早く次の車、できればあの最新型の新車が買いたいな…?」などと、自分に都合のよい解釈をして1人で盛り上がったりしてしまいます。

サイト内検索窓